タイトル
ごあいさつ

誰もが協働できる社会の実現を目指して~


老舗としてのげんきむら

NPO法人げんきむら理事長 鈴木 裕子
  

先日、家族会長の大川さん、利用者代表の太田君と一緒に、県庁障害者政策課の石田課長さんに、げんきむらの財政難を何とかしてくださいというお願いをしに行きました。
課長さんからは、「障害福祉の事業所を支える制度がよく変わるのは、株式会社などの営利企業が、障害のある人たちの生活を豊かにする建前で営利を優先し、事業拡大をしようとするのを防ぐ対策の結果でもあるのです。そういう世情の中で、県でも非営利の老舗のげんきむらさんが、立ち行かなくなることがないよう、踏ん張ってください。」と言われました。
そうです。げんきむらは非営利法人の雄なのだから、ここで粘り腰をみせて、何とか持ち直すように、頑張らなければなりません。
初代理事長の金刺伸衛さんは、企業総務のオーソリティーでした。その経験から、障害のある人もない人も、なるべく区別なく安心して仕事できる仕組みを作ろうとNPO法人を立ち上げました。
二代目理事長の駒澤徳紀さんは、福祉分野のオーソリティーでした。障害者と健常者の垣根のないげんきむらがより一層豊かになるよう、2号館を建て、作業の幅を増やしました。
三代目理事長の私は何のオーソリティーでもないですが、げんきむらの基が産声を上げたときから、障害のあるみんなとの仕事を楽しみ、たくさんの仲間の中で一緒に楽しむ活動が少しずつでも広がればよいなと思ってやってきました。
ここへきて難しいことがたくさん出てきたのは、げんきむらが25年前に始めたウェアへのオリジナルプリントの作業が、もう珍しいものではなくインターネットで簡単に頼めるものになってしまったこと、デザインソフトやウェブ発信などが上手にできる一般の人が増えてきたこと、著作権の問題も年々厳しく取りざたされるようになったこと、そして長引くコロナ禍で飲食業が、大きなダメージを受けたこと、…たくさんの要因がげんきむらの行く手を阻み、失速させ、ついには来年どうなるか、来月どうなるか、明日はどうなるかと心配しなければならなくなってしまったのです。
さあ、どうしましょう?
原点の25年前に立ち返り、みんなで活動を楽しみ、それを地域の皆さんにも一緒に楽しんでもらうこと。そこが一番大事だから、今度の村まつりは、楽しいものにしたいですね!
昨年、1号館にとても立派できれいな座布団のセットを寄付してくださった地元のかたは、「いつも応援してますよ」という言葉を添えてくださったそうです。
そんな風に思ってくださる方が、ここにおられるんだなと知るだけで勇気が湧いてきます。応援しあい、支えあい、生きていきましょう!